寒くなると、わが家の食卓にはおでんが増えます。市販のおでんの素を使うこともありますが、基本はつゆを自分で作っています。材料は顆粒だしと調味料だけなので、難しくありません。
この記事では、居酒屋で15年働いた経験もふまえて、おでんを失敗なく作るコツと、わが家の定番具材を紹介します。
おでんは「つゆ」より「大根の仕込み」で決まる
大根は圧力鍋で先に火を通す
私がやっている唯一の特別な工程がこれです。大根は圧力鍋で先に火を通しておきます。長時間煮込まなくても、中まで柔らかくなった状態からスタートできます。
おでんの大根が硬いのは、単純に火の通りが足りていないからです。鍋で何時間も煮込む方法もありますが、平日に作るなら圧力鍋のほうが現実的です。大根は甘みのある中央部分を使うと失敗しません(白菜・大根の選び方の記事)。
面取りと隠し包丁で味の通り道を作る
切ったあとのひと手間も効きます。角を薄くそぎ落とす面取りで煮崩れを防ぎ、片面に十字の切り込み(隠し包丁)を入れることで、だしが中まで入りやすくなります。
切り込みは深くしすぎると割れるので、表面に浅く入れる程度で十分です。
えぐみが気になるなら米のとぎ汁で下茹で
大根のえぐみや苦味が気になる場合は、米のとぎ汁や少量の生米と一緒に下茹でする方法があります。でんぷん質がアクを吸着し、甘みが引き立つとされています。
私は圧力鍋で済ませてしまうことが多いですが、丁寧に作りたいときはこの方法を使います。

厚揚げを入れるとおでんがうまくなる
だしを吸い込む構造になっている
わが家の定番で、個人的に一番おすすめしたいのが厚揚げです。厚揚げは表面を揚げてあり、中は豆腐のまま。この構造がだしを吸い込むので、噛んだときにうま味が口の中に広がります。
水分が適度に抜けているぶん、味が染み込みやすいとも言われています。油揚げを味噌汁に入れると味に深みが出るのと同じ理屈です。
油はコクを足してくれる
もうひとつ、油そのものの働きがあります。油脂は料理にコクを与える要素とされており、近年は脂肪酸が舌の受容体に反応する「脂肪味」という考え方も研究されています。
ただし、だしのうま味と油脂がどう作用し合うのかを分子レベルで説明できる資料は見つけられませんでした。ここは「油を使うと味に深みが出る」という調理経験上の実感として受け取ってください。
味噌汁に天かすを入れるとコクが出るという話も同じです(毎日の味噌汁で腸活の記事)。少量の油は、塩分を増やさずに満足感を上げてくれます。
コクを出したいなら油抜きしすぎない
厚揚げや油揚げは、熱湯をかけて油抜きをするのが基本とされています。味が染み込みやすくなり、古い油の臭みも取れるためです。
ただしコクを重視するなら、油抜きは軽めで構いません。私はさっと熱湯をかける程度にしています。目的によって加減を変えるのがいいと思います。

わが家の定番具材6つ
- 大根:主役。圧力鍋で先に火を通す
- 玉子:ゆで卵を使う。半分に切ると断面に味が入る
- 厚揚げ:だしを吸ってコクを出す
- こんにゃく:下茹でしてから。手でちぎると味が入りやすい
- ちくわ:煮すぎないほうが食感が残る
- ウインナー:子どもも食べやすく、うま味も出る
練り物や厚揚げは煮込みすぎると縮んだり固くなったりするので、大根などの根菜を先に、練り物系は後から入れるのが基本です。
🍢 自作つゆのおでん
⏱ 準備:20分|調理:40分+冷ます時間|4人分
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 大根 | 1/2本 |
| ゆで卵 | 4個 |
| 厚揚げ | 2枚 |
| こんにゃく | 1枚 |
| ちくわ・ウインナー | 各適量 |
| 水 | 1,200ml |
| 顆粒だし | 大さじ1 |
| 薄口醤油 | 大さじ3 |
| みりん・酒 | 各大さじ2 |
| 塩 | 小さじ1/2 |
作り方
- 大根は3cm厚の輪切りにし、面取りと片面に十字の隠し包丁を入れる
- 圧力鍋で大根に先に火を通しておく(竹串がすっと入る状態)
- こんにゃくは下茹でし、厚揚げは熱湯をかけて余分な油を軽く落とす
- 鍋に水・顆粒だし・調味料を入れて温め、大根・こんにゃく・ゆで卵を加える
- 煮立たせないよう弱火で20分煮る
- 厚揚げ・ちくわ・ウインナーを加え、さらに10分煮る
- 火を止めて冷ます。食べる前に温め直す
💡 大根を先に圧力鍋で火を通しておくのが最大の時短。煮込み時間を延ばさなくても味が入ります。冷ます時間を取ると、翌日はさらにおいしくなります

味を染み込ませる2つのコツ
煮立たせない
ぐらぐら煮立たせると、具が崩れてつゆも濁ります。表面が静かに揺れる程度の弱火を保ってください。お店のおでん鍋も、常に静かな状態を保っています。
火を止めて冷ます時間を取る
作ってすぐより、一度火を止めて冷ます時間を取ったほうが味が入ります。煮込み続けるのではなく、休ませる。これは煮物全般に共通する考え方です。
夜に作って翌日食べると、さらにおいしくなります。作り置きとしても優秀な料理です。
つゆは飲み干さない
健康面でひとつだけ。おでんのつゆには塩分が溶け出しているので、飲み干すと摂取量が一気に増えます。具を楽しんで、つゆは残すくらいがちょうどいいです。鍋のスープについても鍋で太らない食べ方の記事で同じことを書きました。
よくある質問(FAQ)
Q. 大根に味が染みません
A. 火の通りが足りていない可能性が高いです。圧力鍋で先に火を通すか、下茹でをしてから煮てください。面取りと隠し包丁を入れると、だしの通り道ができて染み込みやすくなります。
Q. つゆは市販の素と自作、どちらがいいですか?
A. どちらでも構いません。私は顆粒だしと調味料で作りますが、市販の素を使う日もあります。自作のメリットは、味の濃さを自分で調整できることです。
Q. 厚揚げは油抜きしたほうがいいですか?
A. 味を染み込ませたいなら熱湯をかけて油抜きを、コクを出したいなら軽めに。私はさっと熱湯をかける程度にしています。目的次第で加減してください。
Q. 何日くらい日持ちしますか?
A. 冷蔵で2〜3日が目安です。食べるたびにしっかり火を通してください。練り物は煮込むほど縮むので、食べる分だけ温め直すのがおすすめです。
まとめ
おでんで差が出るのは、つゆの豪華さではなく大根の仕込みです。圧力鍋で先に火を通し、面取りと隠し包丁でだしの通り道を作る。これだけで仕上がりが変わります。
そして厚揚げを1品足してみてください。だしを吸い込んでうま味が広がり、鍋全体の満足感が上がります。煮立たせず、冷ます時間を取る。これがおでんの基本です。
💡 あわせて読みたい
参考情報
※本記事は個人の体験談を含みます。保存期間は環境によって変わります。塩分が気になる方はつゆを控えめにしてください。


コメント